離職率10%低下
スタッフの当事者意識の醸成効果

株式会社エー・ピーカンパニー
執行役員
横澤
将司様

「食のあるべき姿を追求する」をミッションに掲げ、地鶏料理店「塚田農場」や海鮮居酒屋「四十八漁場」など国内外含め全10ブランド全260店舗を展開しています。2012年に、東京証券取引所マザーズに上場し、翌年には東証一部に市場変更。2016年には、「働きがいのある会社」ランキングにおいて、ベストカンパニーに選出されました。

課題
  • 漁業の衰退という社会課題、また業態の方向性が定まらぬ中、業績不振が続いていた
  • 200種類を超える魚種の情報を現場にまで共有できる方法を探していた
効果
  • 接客の質、商品への感情移入度が向上し、売上が18%向上(TV放映含む)、リピート率は8%向上
  • 当事者意識が醸成され、アルバイトの離職率が10%低下し、正社員化は15%増加

未来も美味しい魚が
食べられるように

導入前の課題

海鮮居酒屋「四十八漁場」は、国内外合わせて26店舗を展開しています。「海洋資源の減少によって食用魚が消えるといわれる『2048年問題』を防ぎたい」という想いから立ち上がりました。「未利用魚」を使ったメニュー開発や仲卸業者を通さない漁師直結のビジネスモデルを生み出し、「未来も美味しい魚が食べられるように」という想いを込めて、生産者と共に様々な取り組みをおこなっています。

Talknoteは、2011年から利用しています。以前は、メール・FAX を使っており、それらの連絡手段から発生する“コミュニケーションコスト”の削減が目的で導入しました。Talknoteを選んだ理由は、他飲食企業で活用実績があったからです。また、ITリテラシーが高くない社員でも簡単に使えるくらい非常にシンプルなつくりだったので、これは弊社にピッタリだと思いました。

そんな中、会社の2本目の柱として立ち上がった「四十八漁場」は、震災の影響や業態力も弱かったこともあり、2012年の利益率が4%と業績不振が続いていました。さらに、漁師の減少や乱獲などによる漁業の衰退も深刻化しており、この問題をどうにかしたいと考えていました。そして、「居酒屋から漁業を創造する」というミッションを新たに掲げ、立て直しを図りました。その取り組みの一つとして漁師直結のビジネスモデルが誕生。さらに、販売の最前線に立つ現場の力を最大限に活かすため、「現場を巻き込んだ人・組織の活性化」をテーマに、組織改革を開始しました。しかし、そこで大きな課題になっていたのが、現場を含んだコミュニケーションでした。

当時Talknoteを利用していたのは社員のみで、アルバイトはLINEを使用していたんです。また本部と店舗の連絡は直接せず、間にマネージャーや店長を挟んでいたので、本部が伝えたい情報の40%程度しか現場に届かない状況でした。これでは、現場の力を最大限に活かすことはできません。本部と現場を直接結ぶために、2013年から四十八魚場の全アルバイトと生産者である漁師にもTalknoteを導入しました。

株式会社エー・ピーカンパニー インタビュー風景

数百種類を超える商品知識を
アルバイトにまで徹底共有

活用方法について

四十八魚場には、季節ごとに約200種類の魚、100種類のお酒、160種類のメニューがあり、この商品知識をアルバイトも含めてTalknoteで共有しています。以前はあまりにも情報が多すぎるため、アルバイトにはメニューだけ覚えてもらっていました。しかし、四十八漁場の売りは、鮮度の良さとそれを引き立てる料理・お酒。その価値をちゃんと伝えることが、お客様の満足につながるのではないかと思い、Talknote導入後は、漁業の現状や魚の捌き方などあらゆる情報を徹底して伝えています。入社間もないスタッフの中には、Talknoteの利用に対して抵抗を感じる人もいます。その場合は、中心スタッフが盛り上げて、楽しく使えるように工夫しています。だいたい3ヶ月間の研修が終わる頃には、Talknoteで情報をキャッチアップできるようになり、自分の言葉で商品説明ができるようになります。

活用ルールについて

プロフィール写真は、社員は必須、アルバイトはできるだけ設定してもらうようにしてもらっています。顔が見えた方がコミュニケーションは活性化しますし、いい関係が構築できるからです。漁師と全店舗のアルバイト含めた交流を深めるイベントを年に一回開催していますが、普段からTalknoteでやりとりしているので、顔と名前が一致している状態で会うことができます。さらに直接会うことの感動も高まり、イベントも凄く盛り上がるんです。

魚業態 産地共有 グループについて

このグループは、生産者、アルバイト・社員を繋げる共有の場です。生産者からは、今朝獲れた魚の情報や店舗を応援する声。店舗からは、お客様とのエピソードなどが投稿されています。それぞれの想いに感化され、共通の商品に感情移入することで、日々のやりがいにも繋がっています。なかには、アルバイトがTalknoteでやりとりしていた漁師に会い行くなんてこともありました。このグループで投稿された商品は、売れ方が全然違うんですよね。まさに共通のミッション「漁業を創造する」が体現されているグループです。

株式会社エー・ピーカンパニー インタビュー風景

自走できる組織づくりと商品ヒット、
秘訣はTalknote

導入後の効果

Talknoteを導入して、組織も業績も大きく変化しました。まず、Talknoteのおかげでアルバイトにも本部が伝えたい情報をそのまま届けられるになりました。導入してから売上が18%向上し、組織の情報伝達力で業績が大きく左右されると実感しています。さらに、積極的に情報を発信してくれる人が格段に増えました。売上実績や感謝の言葉を直接伝えられることで、スタッフの販売意欲が向上し、全員が当事者意識を持って自走できる組織になりましたね。他社に比べて接客スキルが極めて高いというわけではありません。

しかし、スタッフの商品知識に関しては、どこにも負けません。これが四十八魚場の他社には真似できない力であり、それをつくってくれたのは間違いなくTalknoteです。導入から、アルバイトの離職率は10%低下、アルバイトからの正社員化は15%増加、勤続年数は2倍に向上しました。

さらに、お客様のリピート率が導入以前と比べ、8%増加し、販売力増加とスタッフの定着率向上でこんなにも結果が変わるのかと驚きました。アルバイトからの紹介採用も増えています。

漁業界にも大きな変化がありました。これはその一つですが、四十八魚場で商品化した未利用魚が人気商品となり、市場価格が1.5倍になりました。これにより地元の漁港が活性化され、漁師になりたいという若者が増えたという話も届いています。これは、生産者と現場スタッフの強い繋がりが生んだ成果だと思っています。自分が獲った魚がどうやって提供されているのか見たことがない漁師もたくさんいるので、自分の魚を美味しいと言って食べてくれる人がいることが知れるだけでもモチベーションが大きく変わります。

最初は、“自分のために”という気持ちで働いていたスタッフも、気づけば“世の中のため”にという気持ちに変わっているんですよね。その気持ちが生産地やお客様にまで届けられたらいいなと思っています。Talknoteは、チームをよりよく変化させ続けるためのツールですね。

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