2017/04/10

【CEO MEET UP 対談記事】”地道な努力”と”場を作ること”が愛社精神を生んだ。

2017年3月24日(金)トークノート株式会社主催で経営層限定イベント「CEO MEET UP」を開催しました。当日は予想を超える150名の方にご来場頂きまして、大いに盛り上がりました。そこで、今回は当日のゲストセッションを抜粋して紹介します。

Theme
「経営者たちが語る。企業が成長し続けるために必要なこと」
Speaker
株式会社一家ダイニングプロジェクト 代表取締役社長 / 武長太郎氏
株式会社NATTY SWANKY 代表取締役 / 田中竜也氏
Interviewer
トークノート株式会社 代表取締役 / 小池温男

小池:
当セッションでインタビュアーを務めるトークノートの小池です。ゲストには、お二人お呼びしています。いつも、武長さんは「太郎さん」、田中さんは「NATTYさん」と呼んでいるので、いつも通り呼ばせていただきますね。

武長氏:
一家ダイニングプロジェクト代表取締役社長の武長太郎と申します。1997年の20歳の時に、会社をおこして、現在は千葉、埼玉、東京で飲食店を40店舗ほど、またブライダル事業としてこの会場(The Place of Tokyo)を運営しています。今年で創業して20年になり、来期の上場を目指しています。

田中氏:
NATTY SWANKY 代表取締役の田中竜也です。26歳の時に創業して、最近だとダンダダン酒場を立ち上げ、徐々に店舗を増やしています。Talknoteはアルバイトも含め約550名で利用しています。

小池:
今日はよろしくお願いします!今日、お二人に聞きたいのは、組織づくりに関してです。組織って悩みが絶えないですし、形作るのに相当苦労しますよね。創業当初、どのような苦労がありましたか?

 

武長氏:
20歳で創業して、毎年、1店舗毎増やしていったんですね。それで、25歳の時に5店舗目を立ち上げました。店舗ごとに、地域に根ざし、売上も好調。その勢いのまま、今まで以上に大きな5店舗目を出店、新卒採用の開始、効率よく店舗を運営するためにマニュアル、人事考課制度を設計など、自分が現場に出なくなりました。そのような方針で動いていた時に、5店舗目の売上が立たず、売上があった店舗も昨対比を割ったんですね。5店舗目出店のタイミングで、規模拡大を考えていたので人件費は相当かかっていました。そこで、一気に資金繰りが困難になりました。完全に、自分の実力を過信していたんです。

とにかく、当時はコストを抑えようと、営業時間を朝4時までにしたり、月末になると、自分の足で売上金を店舗に取りに行っていました(笑)。こんなことやっていたら、「この会社の雰囲気が悪い」と社員に思われてしまい、多く社員が抜けていきました。その25歳〜28歳の期間が一番、苦労しましたね。

田中氏:
僕は初め、ラーメン屋を立ち上げたのですが、ラーメン屋だけじゃなくて、他にも様々な事業をやっていました。ダイニングバー、携帯電話の販売、ネイルサロン、不動産・・・

小池:
やりすぎです・・・(笑)。

田中氏:
武長さんの場合、3年間苦労したというお話でしたが、私は創業してから10年間、ずっと苦しかったですね。事業がうまくいかず、常に資金繰りが悪く、とにかくネガティブでしたね。

小池:
NATTYさんの社員さんに会うと、めちゃくちゃ元気に挨拶してくれますよね。それも当時は全くなかったんですか?

田中氏:
そうですね。会社の雰囲気がネガティブだったので。多忙にもかかわらず、給与もそこまで高くないといった状況の中で、社員の離職を何度も経験しました。必死に頑張ってくれていた社員に報いたくてしょうがなかったです。

小池:
その問題が多かった状況をどのように打開していったんですか?

武長氏:
自分自身の考えを変えたことですね。正直、会社を辞めたいと思った瞬間は何度も訪れました。「一時の運は、誰にでも訪れるが、成功は実力がないと続かない」と痛感し、いつも20歳で創業したことを後悔する日々が続いていました。

そんな時に、柏店を任せていた新卒一期生たちが一生懸命働き、どんなに忙しくても、資金繰りが悪いとわかっていても、お客様に満足して帰ってもらおうとする姿を見て、涙が止まらなくなりました。彼らはどんな状況だとしても、主体的に働いていたんです。その時に、自分の仕事は現場が力を発揮できるようにサポートすることなんだと気がつき、現場を離れていた期間に作ったマニュアル、人事考課制度も全て捨てました。そこから、現場が輝ける場を作ったり、社員教育に力を入れたりするようになりました。

武長氏:
一家塾(※)を催し、社員皆で経営者の本を読み、人生哲学を学ぶ。毎月、自分の想いを手紙で社員に伝える。成功事例や感動ストーリーを共有する一家祭りというイベントも開催しました。お金がなくても、先行投資でそういうことからリスタートし、それを地道に行っていく内に社員が「自分は会社のメンバー、社員は家族なんだ」と思い始め、愛社精神が醸成されてきました。そこで、売上が立ってきたんです。
※一家塾とは、一家ダイニングプロジェクトが社内で取り組んでいる社員教育研修。月に一度全社員が集まり事業部別に企業研究や経営理念などについて学ぶ。自ら学ぶ文化の醸成を目的とした研修。

小池:
「社員は家族、そして自分もその一員なんだ」と社員自身が思えるようになったことで組織が良い方向に進んでいったんですね。

武長氏:
やはり、人間というのは自己重要感を欲していますからね。賞賛する・感謝する場をつくって、その感情を満たしてあげることは、組織において非常に重要だと思います。

田中氏:
問題の解消にあたって取り組んだことは三つあります。一つ目は一本の事業に集中したことです。ダンダダン酒場を立ち上げた時に、他の事業は全て切り離しました。二つ目はネガティブ発言を禁止することです。辛い労働環境でしたが、ネガティブな発言をやめることも決めました。まずは気持ちから変えていったんです。三つ目は当たり前のことを当たり前のようにしようという意識を形成したことです。その一例が挨拶です。全社員で議論をし「挨拶を徹底しよう」と決めました。だらしない挨拶だったら、何度でもやり直しさせます。現場ではない本部の社員も同様です。

小池:
一見、挨拶と売上って直結しないと思う方もいると思うのですが、そこはどのようにつながっているのですか?

田中氏:
挨拶を変えると、コミュニケーションが変わり、どんなに辛い状況でもポジティブな雰囲気が醸成されます。全ての起点になるのはコミュニケーションですよね。お客様とスタッフ、本部と現場、バイトと社員。全ての関係性においてコミュニケーションは必ず発生します。だから、挨拶を変えたら、店舗も本部も活性化していきました。結果的につながっているんだと思います。

武長氏:
コミュニケーションは本当に大切ですよね。実は、昔からTalknoteを知っていたけど、導入はしていなかったんです。理由は、ツールを導入することよって、Face to Faceのコミュニケーションを重視する文化が劣化してしまうと感じていたからです。しかし、実際にTalknoteを導入してみたら、すぐに浸透して、社内のコミュニケーションが今まで以上に活性化しました。

なぜ、僕らの組織でTalknoteがうまく活用できたのか。それは「社員がコミュニケーションを取りたい」「会社のことをもっと知りたい」「社員のことをもっと知りたい」と自発的に感じるからであり、その正体は“風土”なんです。元々、そのような風土があったから、Talknoteがすぐに浸透したんです。さっき、うちの広報も「Talknoteがないと現場が回らない」って言っていました。

風土が整っていない状態でツール導入しても、コミュニケーションを活性化させるのは難しいということですね。

小池:
お二人のTalknoteではどのような投稿がされているのですか?

武長氏:
業務連絡はもちろん、業務と直接関係はないけれど、感謝を伝える投稿や誕生日を祝う投稿で溢れています。また、店舗で起こった良かったこと、感動したことをTalknoteに共有することも行っています。

小池:
(Talknoteの画面を見ながら)これすごい長い文章ですね。社員の方って、何をモチベーションにこういうのに取り組んでいるんですか?

武長氏:
自分のお店には、こんな素晴らしい仲間、お客様がいるんだって、みんなに知って欲しいんです。家族みたいなものですから。

小池:
ありがとうございます。セッションはこれで終了とさせて頂きますが、質問ある方いらっしゃいますか?

来場者:
理念の浸透にどのくらいの時間を要し、どのような施策を打ちましたか?

武長氏:
まず、一朝一夕では変わりません。最低でも3~5年、いろんなタイミングで理念と向き合う必要があります。うちの場合は、社内報・研修・制度・イベントなど全て理念と関連していますし、社員が理念からの気づきを発表する場も設けています。そして、理念は使えば使うだけ、浸透する。人格形成と同じですよ。ちなみに、浸透施策を費用対効果で見ることは難しい。しかし、経験上、一体感を感じる頻度の高さと相関して、社員が定着をし、既存店の売上が活性化していきました。実際、マニュアルを捨てたあの日から、1店舗も閉めていませんからね。

<編集部コメント>
苦しかった期間に違いはあるけれど、互いに共通していたことは武長社長も田中社長も、苦心の末にたどり着いた解決策がコミュニケーション、人を大切にするということでした。費用対効果で見えにくいとしても、効果が出ることを信じ、地道に実行していく中で、それはいつしかアイディアから習慣になり、文化・風土になっていきました。

ありがとうを伝える「スターカード」という施策をやり続けて、感謝し合う文化が醸成された一家ダイニングプロジェクトさんにしても、長年、挨拶を徹底することで、誰から見てもポジティブな雰囲気を醸し出しているNATTY SWANKYさんにしても、文化・風土・理念浸透に近道はありませんでした。

<社内SNSを検討の皆様>
武長社長が「ツールを導入したからと言ってコミュニケーションが変わらない」と言ったように、コミュニケーションツールを活かすも殺すも目的次第です。まずは「コミュニケーションを活性化させる目的」から考えてみることから始めてもいいのかもしれません。そこで、トークノートは社内SNSの導入にかぎらず、社内コミュニケーション全般の無料相談を行っております。以下よりお申込みください。

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