それぞれがコミットして
紡いでいく夢
1981年6月17日生まれ。和歌山県出身。2004年、青山学院大学卒業後、期間限定で「屋台バーsubLime」を開店。その後、外食産業の株式会社レインズインターナショナルに入社。同社にて現場のマネジメントを学び、2005年9月に退社。同年11月に「沖縄鉄板屋台subLime」をオープン。2006年6月には株式会社subLimeを設立。2011年に株式会社RHコーポレーション、2013年に株式会社八百八町、2015年には株式会社パートナーズダイニング、2017年に株式会社ティーケーエスを子会社化し、グループ合計で400店舗を運営するに至る。創業からわずか12年でグループを急成長させた手腕は、若きカリスマとして飲食業界で注目されている。外食アワード2013受賞。 ※2018年6月現在
楽園のような島を作るという夢を
かなえるために
subLimeは、外食事業、独立支援事業、リゾート事業という3本柱で事業を展開しています。もともとは “楽園のような島を作りたい”というひとつの想いからスタートしました。楽園とは、お客様の夢、ぼくの夢、集まってくれた仲間たちの夢が集まる場所のことです。この夢を形にするために、今も走り続けています。結果、創業から12年を経て、グループ合計で400店舗を運営するに至りました。従業員数は、アルバイトを含めると約5000名にのぼります。いまだ冒険の途中ではありますが、会社の規模が大きくなるにつれて、これまで以上に実現できる夢のサイズも大きくなってきました。
フルコミットするから、人は成長する
組織を運営する上で気をつけていることは、自分の周りに優秀な人を集めることです。創業社長は、つい“自分が一番優秀だ”と勘違いしがちですが、僕は自分の不出来を自覚しているので、組織運営やPR、採用など、各方面のプロフェッショナルを集めました。彼らが力を発揮できる環境をきちんと設ければ、組織が成長しても各部門はうまく機能するものです。
また、人を登用する際に重要視していることがあります。 “フルコミット(=完全に委任)できるかどうか”です。覚悟を持って取り組む姿勢があれば、どんどん大きなミッションを任せるのが僕のやり方。実際、弊社の副社長は、店長の経験すらありませんでしたが、彼のように覚悟をもってフルコミットすれば、ひとつひとつ壁を乗り越えた末に、未経験分野でプロフェッショナルになれます。“立場が人をつくる”とはよく言ったものです。
フルコミットしてくれる社員に対しては、ぼくもフルコミットで応えます。何が起きても絶対に味方でいるという意味です。前述の通り、創業者だからといってぼくが一番優秀なわけではありません。組織というものは適材適所で成り立っていて、その中で“この社長のためなら頑張りたい”と思われる人間になることがぼくの役割です。だから、自分が信じた限りは任せ続けます。たとえば、subLime直営店の売り上げが昨年対比で落ちたからといって、それを理由に担当者を降格することありません。任せたのは自分です。他責にしてはいけません。それが経営者としての信念です。
コミットすることで、
チャンスを勝ち取れる組織
社員それぞれが夢を実現するために、subLimeではすべての事柄をコミット制にしてきました。会社から定期的な査定などは行わず、自己申告という形で、自分で立てた目標を達成したら、給料をアップしてほしい、仕事を任せてほしい、といった要求を会社にするシステムです。社員一人ひとりが常に目標を持ちやすいのは、そのためでしょう。
独立志向の強い社員が多いことも特徴のひとつですが、独立のチャンスは自ら手を伸ばさないと手にできません。棚からぼた餅という言葉がありますが、何より大切なのは棚の下にいる努力です。リターンオンラック、つまり自分に集まってくる幸運の確率を上げる。そのためには自ら進んで行動し、成長するチャンスを勝ち取ってほしい。それが創業から社員に対して抱いている想いです。
経験のための投資が、
“豊かな人生”へとつながる
社員たちが目標に向かっていくのと同様に、ぼく自身もsubLimeという船を最短最速で夢の実現に向かわせなければなりません。ここでは時間こそが最も大切な資源です。この限られた資源を、有効活用するためにぼくは歴史から多くを学んできました。
人間はさまざまな失敗を経て現在に至っています。歴史を顧みると、失敗がどんなときに、どんな原因で起きたのかわかるだけでなく、そこに関わった人物の考え方もわかります。組織づくりや会社運営にこれらを当てはめていくと、自ずと最適解は見えてきます。経営に役立つ知識を得るために、一時期は年間で1000冊くらいの本を手にしていました。漫画も合わせるともっとです。ちなみに漫画だって仕事に生かせます。ネーミングのヒントになるほか、リーダー像を学ぶ上での貴重な情報源です。
同じインプットという意味では、旅をして異文化に触れる機会も重要です。最近だと、ジャマイカで店から海へつながっているすべり台を目にしたことや、ギリシャで訪れた素敵なクラブのことが印象に残っています。自分にはなかったこれら発想をどんどん夢に組み込んでいくと、夢はますます大きく、具体的なものになっていきます。
人によってお金の使い道はさまざまですが、ぼくの場合は物に使うことはあまりありません。例外は本だけです。やっぱり食や旅を通じて、そこでしかできない経験に重きを置きたい。これを仲間たちと共有することほど豊かな人生はありません。だから貯金もほとんどせずに、こういった経験に投資してきました。今まで自分がインプットしてきたことを今度はアウトプットしていく段階です。社内や提携している会社に、自分の経験から得た生きた知恵を共有することこそが、夢の実現への推進力になるのだと思います。
飲食業であるぼくらにとって、
Talknoteはインフラ的な存在
3年ほど前から、Talknoteを社内コミュニケーションツールとして使用しています。ここでぼく自身の経験をシェアしたりしているのですが、すごく使い勝手がいいですね。参加メンバー数や文字数の制限もありませんし、タスク管理もできます。グループごとにスレッドを整理できるのも、快適に使用できる理由のひとつです。
チャット形式のほかに、フィード形式を使用できる点が、何よりもぼくらにはありがたいですね。飲食業界だと、本社と社長、役員、現場スタッフで生活時間帯がバラバラです。オフタイムが人によって異なるため、チャット形式だと本来は見たい投稿も埋もれてしまいがちですが、フィード形式であれば必要なときに閲覧できてコメントもできます。そのためディスカッションツールとしても便利です。しかも機密性が高い。進行中のプロジェクトについても安心してやり取りできます。
ぼくらのような業界の人間にとって、これら機能を備えたTalknoteは大きな武器です。ぼくの決裁が必要な用件もタイムロスなく確認できますし、もはやぼくらにとっては欠かせないインフラになっています。
社員とのコミュニケーションにも重要な役割を果たしています。以前は社員に向けてメルマガのような形で、ぼくの経験や気づき、考え方や思いを、発信していました。気軽にこういったことができるSNSは本当に有用です。
それに社員が書いた日報には全部目を通し、必ず「いいね」をつけるなどのレスポンスをしています。ぼくがしっかりと目を通しているせいか、現場からの意見をスピーディにすくい上げられることは大きなメリットです。たとえば、ある店舗でシフトに関する愚痴が上がったのですが、ぼくからすればそれは管理側に問題があると思ったので、すぐに新たな管理体制を構築しました。現場と管理側との行き違いをスピーディに解消できるわけです。
楽しみ続けることで、
全員で夢へ近づこう
自分たちが心から楽しいと感じることを続けて、お客様や関わってくれる人たちが少しでも楽しいと感じてくれたなら、ぼくたちが続けてきたことには意味があります。世界をワクワクさせるという会社の理念があって、それを実行していくことによって、世の中を少しでも楽しい場所に変えていきたい。それこそがsubLimeの存在価値といっていいでしょう。つい先ほど、こういった内容のメッセージをTalknoteで社員に送ったところです。
ぼくには、島事業や旅館づくり、自分たちが作った店舗で誰かが独立することのほか、実現したい夢がたくさんあります。もっとお客様には喜んでいただきたいし、「こんな店があったのか」と驚いてもらいたい。こんな風にゼロからイチを生み出すことが楽しくてたまりません。心から“楽しい”と感じることを追い続けること。それがぼくの夢、そして社員みんなの夢へとつながっていくのだと思います。